実写映画化した『リトルマーメイド』が本年2023年夏公開予定となっていますが、主人公であるアリエル役が「可愛くない!!」と物議を醸し、話題となっています。
今回はなぜ実写版アリエルが「可愛くない」と考えられているのか?
ディズニーが本作で描きたいものとはなんなのかを独自に考察していきたいと思います!!
なぜ実写版アリエルは「可愛くない」のか
アリエル役に抜擢されたハリー・ベイリーさんはアメリカ出身の歌手・女優で、2000年生まれの 22歳。
ハリーが10歳の時にYouTubeに投稿した、ビヨンセの『pretty hurts』をビヨンセ本人が見て、なんとビヨンセの所属事務所にオファーされたというのがデビューのきっかけ!!
歌唱力は申し分なく、力強くも可愛らしい、美しい歌声はまさにアリエルにぴったり!!
そんなハリー・ベイリーさんですが、なぜ実写版アリエル抜擢について「可愛くない」と評価されてしまうのでしょう?
それは原作アニメ『リトルマーメイド』のアリエルと外見がかけ離れていることへの違和感が大きいでしょう。
では違和感の正体とはなんなのでしょうか?
ハリーベイリーが褐色の肌を持つことがその理由でしょうか?
それだけではないでしょう。
アニメ版アリエルは正統派お姫様、
誰がどうみても可愛い美人として描かれているのに対して
ハリーは正統派美人とは言い難い…(可愛らしくはあるんですが!!)
アリエルに対して、誰が見ても美しいまさにお姫様!!というイメージを多くの人が持っていること。
そしてハリーの持つ可愛らしさはそのイメージとは違うベクトルのものであること。
これが違和感の正体であり、「可愛くない」と物議を醸してしまう理由になっているのです。
原作アニメ「リトルマーメイド」で描かれたもの
原作アニメ『リトルマーメイド』見どころとなったのが
重力から解き放たれた海の中で表現されるのびのびとしたアニメーション。
それと素晴らしい音楽です。
アリエルが自由を夢見て歌い上げる「part of your world」の場面は名シーンですよね!!
1989年にアメリカで公開されたこの作品は、アリエルの「外の世界への渇望」「自由」を描いており、
待っているだけの静かで美しい可哀想なお姫様像を打ち破った、新しいプリンセスとして世に受け入れられたのです!
新しい作品を作る意義
34年も前の作品をもとに、新しい映画を作ることの意義とはなんなんでしょう。
私は原作があるものを新しくリメイクするからには、その作品は今までにはない新しいなにかがなければ面白くない!と思います。
新しいなにかが、作品が作られる時代に即した観客のニーズに応えるものであれば、沢山の人が見たいと思い、作品のヒットにつながります。
そしてそれが普遍的なものであれば、名作と呼ばれ時代を超えて受け継がれてゆくでしょう。
アニメ版「リトルマーメイドは」、アンデルセンの「人魚姫」から着想を得て、
あの時代の人々が持つ自由への渇望という観客のニーズをしっかりとを練り込み、
真実の愛を歌いながらも悲劇として幕を閉じるアンデルセンの物語を見事脱却し、
ハッピーエンドへと着地します!
自由を求めて泳ぎ回るアリエルの姿は、今見ても十分感動的で、心を打つ名作であると思います!!
ただただ原作に忠実なものを作る意味があるでしょうか??
原作に忠実なものが見たい人は、原作を見ていればいいと私は思うのです。
原作の良さは少しも色褪せず、手を伸ばせばいつでも見られるのですから…!
原作に忠実な、そこそこ売れるだろう作品ではなく、新しいなにかを、クリエイターの新しい試み、挑戦が見たいのです!!
実写版「リトルマーメイド」はアニメ版に忠実出でなくとも、そんな新しいなにかを引っさげてきてくれるのではないか…!?
筆者はそんな期待を抱いています!!
実写版「リトルマーメイド」で描かれるものとは!?
今までのプリンセスイメージを覆すような、ハリー・ベイリーがアリエル役に抜擢されたことから、実写版「リトルマーメイド」で描かれるテーマを考察してみたいと思います!
アニメ版「リトルマーメイド」の美しいお姫様像が定着しているため忘れがちですが、アリエルは人魚で、そのお相手エリック王子は人間です。
二人は種族を超えた恋に落ちるのです。
種族が違うということは、アニメ版ではあまり重視されていませんでした。
人間は魚を食べる悪いやつだ!くらいは描かれていましたが、アリエルが絶世の美女という設定なので、
エリック王子が恋に落ちるのは当然だし、エリックの執事や観客もみんなが共感できることとして受け入れられます。
ですが、そもそも二人の間には種族の壁があります。
実写版で種族の違いをリアルに表現するのであれば、面白い作品になると思います。
お互いの美意識が違う、食べ物、生活、あらゆるものが違う!
二人は結びつけるものとは一体なんなのか!?
それこそ「愛」であり「音楽」なのだ!!
実写版「リトルマーメイド」はそういうものをテーマとして描かれているのではないかと考えています!
種族を超えた恋で思い出すのが「美女と野獣」ですが、野獣はもともと人間なので厳密には違いますよね。
人の深いところに根ざす感覚として
「美女と野獣」は許せるけど、「野獣と美男子」は許せない
というものがあるのではないか…と思います。
女性に対する多くの人が無意識に持っている美醜の感覚。
「美しい」ってどういうこと?
人間エリックが人間ではない生物に恋をすることを通して、こういった問題に切り込んでいくのではないかと考えています!
ハリー・ベイリーがアリエル適役だと思うわけ
前述したテーマを扱うなら、従来の人魚姫のイメージとは違うこと、
多くの人が違和感を覚えるというハリー・ベイリーのアリエル抜擢はまさにぴったりと言えませんか??
エリック王子がアリエルの外見ではなく、彼女の歌声や表現力、独自のキャラクターに恋に落ちるということに説得力が増すと考えます!!
映画を見終えた人だけが、ハリー・ベイリー演ずる実写版アリエルの歌声の虜になる…!!
まさにエリック王子の心境を体験するのかも知れません。
まとめ
実写映画『リトルマーメイド』のハリー・ベイリー演ずるアリエルが「可愛くない」と物議を醸していましたが、
多くの人が持つアリエルのイメージが正統派美少女であり、
ハリー・ベイリーが持つ可愛らしさはそのイメージとは違うベクトルであることが違和感となっていることが原因だと思われます。
そして多くの人に違和感を抱かせるハリー・ベイリーだからこそ描ける、実写映画リトルマーメイドのテーマについて考察してみました!
果たしてどんな映画に仕上がっているのか…
公開が非常に楽しみです!!
最後までご覧いただき、ありがとうございました!